¥時給1000万円

大島はそれを見て少し怯むも、ギュッと力を入れて体制を整えた。

『…何してやがる!とっとと出ていけ!』
『………』
大島はあえて話さなかった。


すると…
『…まぁまぁ待ちなさい。…君は大島くん…かな?』
声からすぐに長嶺だと分かった。


歳は40代ってとこだろうか…
どこにでもいるお父さんのような人だ。
体格は肩幅があるぐらいで、他はバランスが悪そうな肉の付き方をしていた。
ゴツゴツした顔に浮かぶ、うっすらと開いている目を向けながらこちらに寄ってきた。
大島は警戒して半歩下がったが、手元を見て何もないことに気付いた。

近くで見ると肌はカサカサで所々シミが目立ち、わずかに額からにじみ出ている脂汗は もう若くはないことを物語っていた。



『大島くんだよね。』
コクリと頷く。

『…少し話そうか…。』
< 264 / 392 >

この作品をシェア

pagetop