¥時給1000万円
「…二葉のときの状況を思い出してみろ…!…まず二葉はどれぐらい働いたと思うかい…?」
「……全く想像つきません……」
「…5年だ…」
「5年!?」
「……そうだ…。その間にあいつは成人を迎えた…。帰る場所ぐらいあっただろうになぁ…」
その言葉を聞くと、二葉が自分に打ち明けてくれた 家族がいない話を思い出した…
「……5年も働けば…それもその金に使い道がなければ…かなり貯まっていたんだろうなぁ…」
「………!!」
あの時の状況から話がすべて繋がっていく…
二葉の口座は莫大な金額になっている…
何事もなかったかのように二葉を『クビ』にする方向にもっていきたかった…
だが予想外なことに吉田があの日死ぬ間際に二葉が退職することを暴露した…!
つまり二葉が死ぬことを客たちは完全に悟って誰もが二葉に10口を賭けてしまった…
でも二葉が退職して金を持って行かれるより 客に賞金を渡した方が店の損失はそこまで大きくない…
そのためには客に票を入れさせないようにする必要があった…
「…だからあの客は突然山分けしようと…」
「……フッ…分かったようだな…!」