¥時給1000万円
「……そういう訳じゃ…」
「…時給1000万円ってのはそれぐらいリスクがあるってことだ………覚えておけ…!」
「……………」
ショックで思考回路がストップする…
もう…何を聞いても驚かない…そんな気がした…
「…あと1点は……何ですか…?」
永井は弱々しい声で聞いた。
男は永井の顔色を特に気にしていない…
「…あと1点は…お前が見つけろ…!」
永井は会釈だけして、黙ってその場を離れる…
しかし3歩進んだところで足を止め、声が届く程度に顔を軽く横に向けた。
「………最後に…」
「…ん?」
男は酒を飲みながらこちらを見た。
「……最後に………
……今回俺に教えてくださったのは………1人の人間としてですか…?……それともサクラとしてですか…?」
「………いずれ分かるだろ……………とりあえず芋の水割り…。」
男はそう言うと、黙秘するつもりなのか新聞を取り出して読み始めた。
「………かしこまりました…」
伝票をバーに持って行く。