¥時給1000万円
あの日以来、サクラ同士疑心暗鬼に陥っているに違いない……
…とするとオーナー斬酒と6番テーブルのあの男の警戒は最優先だ…
あの2人は自分を必ず殺しにかかってくる…!
どんな方法を使ってでも…!
……しかし…今の自分はこんなことを考えている場合ではない…
永井は兵士によって鎖に繋がれながら、昨日密かに兵士たちと交わした言葉が気にかかる…
『……お前はオーナーのお気に入りだそうだ…』
長嶺が言った。
『…どういうことですか…?』
『……さぁな…。』
『………?』
『……まぁそんなことはどうでもいい…。何か話したいことがあるんだろ…?』
『…はい!』
その時永井はある気持ちを伝えた…
『………分かった…!できる限りのことをしてみよう…!』
「…では開票を始める……!」
オーナー斬酒の分厚い口元の間から大きな声が発せられた…
そして1枚目が開かれる…
「……松本…中村…!」
さすがに1枚目では呼ばれない…
2枚目と3枚目を同時に引いたらしく、一枚を箱の上に置いて、もう一枚を開いた…
「……田端…!」
続けて3枚目…
「……小澤…松本…田端!」
4枚目…
「………平山…小澤…!」
永井より先に新人が呼ばれた…
永井にとっては複雑な気持ちだった。
5枚目…
「…竹林…古橋…!」
新人が後を追うように票が入る…