¥時給1000万円


そしてようやく危なっかしい足取りで母親の足に抱きつく。



『…優~!!あなた!今の見た?!……よくできたねぇ~!…いい子いい子~!』

子供のようにはしゃぐ母親に抱きかかえられては、三人で笑った…













『……は~い…詩織ちゃん…こっち向いて~!』

詩織の3才の誕生日だ。




口の周りを生クリームでベタベタにしておいしそうに最後まで残しておいたイチゴをほおばる。
家族がそちらに注目している間にケーキを横取りしている自分がそこにはいた…




みんな…今と変わらねぇな。















『…ちょっとお兄ちゃん!それあたしの!』
『…こんなもんばっか食ってんじゃねぇよ、ブ~ス!』
『…ひどい…!』

最近では些細なことでケンカして妹を泣かせていたな…



もっと可愛がってあげればよかった…







『…もう勝手にしなさい!…この親不孝者っ!!』
母親に怒られている…


父親は新聞を読んで特に介入してくることはない。
< 362 / 392 >

この作品をシェア

pagetop