¥時給1000万円

二葉は言いづらそうな口調で話した。







しかし松本には分かっていた…

「…フッ……お前そうなることを読んで退職すると言いに行ったな…。」

「…よくお分かりで………私にはそれしかないと思いました……」

「………人の情に入り込む………やはりお前は私に似ているな…」
「…どういうことですか…?」
「……特に意味はない……ただ所詮お前は俺と同じ人間だということだ…」



苦笑しながら二葉は言った…

「……そうかもしれませんね…」





「……じゃあ…あの首は上村だったんだな…」
「…はい…。トイレで私が発狂して包帯をもらったあと、同じトイレ隠れていた上村さんに包帯を巻いて仕事場に出てもらいました…。包帯を巻いているだけなら誰か分かりませんからね…」
「……あの発狂はそれが目的だったと…」
「…えぇ…。あとは出入口付近の手動操作できる扉の中で隠れて客が入って来る時を待って脱出しました…」
「…その客は…誰だ…」
「………いつも12番テーブルに座っている方でした…」
「……やはりそうか………」
「…あの方も確かあなたの仲間でしたよね…」
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