¥時給1000万円



松本は目を閉じ、大きな溜め息をつくと言った…















「………やはり……お前は俺によく似ていたな…」




「………さっきから何ですか?」
松本に似ていると言われて二葉は腹が立った。





……こんなやつに似ているなんて…死んでも言われたくない…


二葉は心の中で何度もそう思った。

























「…………お前は俺の息子なんだ……」

松本が口元に笑みを浮かべた。




その言葉に二葉は殺意を覚えた。
「………ウソだ!!ふざけんのもいい加減にしろ!」
あまりのバカバカしさに狂気の声へと変わる。



「……ウソじゃない……お前は俺の血をひく息子だ…」
呆れながらも松本は話を続ける。




「………待てよ!んじゃ俺の両親はどうなる?!え?!」


思わずケンカ腰になった。



自分の中で無惨な姿で死んでいた両親を思い出す。





どう考えても辻褄が合わない…

どうせこんなのいつものハッタリに決まっている。

二葉はそう思った。
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