¥時給1000万円
「…じゃあ永井よいお年を!!」
「……あっ…あぁ…。じゃあな…」
学校で年末の大掃除を終わらすとすぐ帰宅した。
いつも通りまた遊びに誘われたがすべて断った…。なんだかノリの悪い奴だと思われてなければいいが…。

靴もそろえず『ただいま』の挨拶もせず、一目散に電話の子機を持って自分の部屋へ駆け込んだ。

えーと…大島…

携帯の電話帳を開くとすぐに表示された。



繋がれ…

「…電波の届かないところにあるか、電源が入っていない状態のため、繋がりません…………」
願いはむなしく、電話をかけた瞬間にメッセージがながれた。


何してんだあいつ…!


連絡網を取り出し、大島の自宅へかけ直した。


コールが続く…

……
…………
「……はい、大島です…」

繋がった…!

大島の母親だったが電話が繋がってホッとした。

「…あっ、こんにちは…。永井です…。」
「…あら、永井くん。いつも息子がお世話になっています…。……あっ、もしかしてうちの息子に用があった…?」
「…あっ、はい…!携帯に電話しても出なくて…」
「………あっ、ごめんね…。あの子携帯置いて出かけちゃったのよ……」
「…えっ…?出かけたって…どこへ…?」
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