¥時給1000万円
「…う゛わっ!!」
あまりの情景に悲鳴をあげた。
店内が一気に静まりかえる…。

店内は従業員用のバーカウンターを二廻り広くした部屋だったのだが…。

壁一面に拡がる血しぶきの跡…カウンターの奥の棚の中にはよくできているが 所々欠けている首から上の人間の頭部の置き物が四体並んでおり、残りの場所には普通のお酒もあれば見たことのない名前が書かれたボトルなどもあった…。

壁にはいくつかメニューが貼ってあるが、古びていたり血がかかっていたりしてはっきり読みとれなかった。
部屋の奥には厨房と反対側には『コレクションルーム』と書かれた扉があった…。

「…こ…ここは…!」
店内がざわつきはじめる。お客は全席の半分は埋まっていた。
「…あら、永井ちゃん!…驚いたかしら!!」
オーナーが女の子のように両腕を縮めて上にあげた状態で近づいてきた。

すると…
「…皆の衆!!聞けっ!!」
オーナーの声色が突然変わった。男のようなヤクザのような声だ…。
店内のBGMが鳴り止んだ。

オーナーは永井の左手を持ち上げて再度話し始めた。
「…新たに1名の労働者を雇った!!…年は18…!」
「…18だぁ!?」
「…とんだ若僧だな…!」
「…早死にするぞ……ハハハッ!!」
店内が永井をバカにするような空気になりはじめた。

「名を永井という…!……彼の生きざまを見るがよい!!」

拍手と口笛が店内に響く。


なんなんだ…!なんなんだここは…!
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