¥時給1000万円
「……でも…」
逃げられる方法がない、そう言おうとしたが…。
「…頼むからお前だけでも助かってくれ!!」

彼の後押しに心が揺れ動いた…。

「…で…でも大島…お前は…!?」
「…俺もなんとかすっから、早く逃げろ…!!」

……
…………

二人の間に数秒の沈黙ができた…。


そして出した結論は…
「…分かった…!………ただ…」
「…なんだ…!」
「………もし俺が逃げ出したら絶対にお前も地上で会うと約束してくれ…!」
「…………おう!!」

腕をガシッと掴み合い 相手の顔を見た。

「…じゃあな…!」
まわりの目を気にしながら永井はオーナーの元へ近づいた。
「…ちょっとトイレ行っていいっすか…?」

オーナーの表情が変わった。


どうだ…!!ダメか…!?


「……まぁ…相当ビビってんのね!…いいわよ!!…今入ったところの入口の反対側の壁を押すとあるから行ってきなさい!」
「…ありがとうございます…!」
大島とコンタクトをとると、急いで部屋を抜け出した。



ガチャンッ…


このトンネルは明らかに最初に通った出口へ通じる道のはずだ…!!

誰もいないことを確認すると出口に向かって走り出した…!

急げっ…!!

スタミナ限界まで走り続けた。
これはすべて生きるためにやっていることだ…!!

胸の中で何度もつぶやいていると…

…あっ!扉だ!!

ついに扉が現れた…!
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