¥時給1000万円
「…お〜い!そこの新人!!俺にも注文よこせ!!」
カウンターにいる客に呼ばれた。
「…はーい!!」
顔を男に向き直す。
「…そのうち教えてやるよ…!行け…!」
「…は…はい…!」



注文はどの客もお酒ばかりだった。お酒以外の注文といえば、スーツを着た男性が煮込みハンバーグを頼んだぐらいだ。

二葉の話によると、一時間後は注文する人が偏りはじめ、お酒以外の注文が殺到するらしいが…

なぜ一時間後なんだ…?


「…お前はなぜ呼んでもすぐ来れなかったんだ!!」
「……すいません…でも前のお客様のオーダーがありましたからすぐには…」
「…口ごたえするな…!!」

……?

寝室で見かけたメガネの従業員が客ともめていた…。
…あれ…?…あの客は…

一番最初に永井が注文を受けた人だ。
店内がしんみりした空気になった。



……
…………
………そして…

「…はぁーい!!一時間経っちまーしたぁー!!注文はそこまででお願い致します!!」
一時間が経ちオーナーが呼び掛けた。
なぜかいつもの口調でオーナーは話した。先程までは太い男の声だったのに…

「…ではー皆様!!これよりお手元にある投票用紙に対応が素晴らしかった方のお名前をお書きくださいませー!!Thinkng timeスタート!!」
サンバ曲のBGMが流れ出した。
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