タイヨウの下で輝く花
柚音にだけ聞こえるように言った。
母「まだ結婚するのに時間がかかりますし、今から一緒に住んだ方がいいと話してたのよ」
朔夜の前ではそんなことを言った。
朔「はい、俺は構わないですが…柚音さんはどうですか?」
朔夜が柚音に問いかける。
(私には選択肢はひとつしかないですのね…。)
柚「はい、私も良いですよ」
涙が出そうになるのも我慢して精一杯の笑顔で返事をした。
母「朔夜さんこれはあなた達が住む部屋の鍵です。マンションはあなた達の大学の近くよ」
朔「あっはい……ありがとうございます」
京母「じゃあ、私達は帰るから朔夜きちんと柚音さんを守るのよ?」
朔「わかってます」
よろしいっと素敵な笑顔で朔夜さんに言って、お母様と母は帰っていった。
(最後の挨拶も何もないんですね…。)
柚音はお世話になりましたと心の中で呟いた。
柚「それでは、行きましょうか?」
朔「そうですね」
柚音と朔夜は柚音の車で新しい2人の家へと向かった。