タイヨウの下で輝く花


柚音にだけ聞こえるように言った。


母「まだ結婚するのに時間がかかりますし、今から一緒に住んだ方がいいと話してたのよ」


朔夜の前ではそんなことを言った。



朔「はい、俺は構わないですが…柚音さんはどうですか?」



朔夜が柚音に問いかける。

(私には選択肢はひとつしかないですのね…。)


柚「はい、私も良いですよ」

涙が出そうになるのも我慢して精一杯の笑顔で返事をした。


母「朔夜さんこれはあなた達が住む部屋の鍵です。マンションはあなた達の大学の近くよ」



朔「あっはい……ありがとうございます」



京母「じゃあ、私達は帰るから朔夜きちんと柚音さんを守るのよ?」



朔「わかってます」



よろしいっと素敵な笑顔で朔夜さんに言って、お母様と母は帰っていった。


(最後の挨拶も何もないんですね…。)



柚音はお世話になりましたと心の中で呟いた。



柚「それでは、行きましょうか?」



朔「そうですね」



柚音と朔夜は柚音の車で新しい2人の家へと向かった。





< 5 / 28 >

この作品をシェア

pagetop