ぎゃくこい!


…………………………


(ああ、何て事なんだ!!この子の瞳はこの琥珀色はあの男の色じゃいか!!)


生を受けて少ししかたたない赤子の瞳を見て、男が言った



(ちっ違うのです!!あなた!!)


バシッ!!


(何が違う!!やはりお前もあの時、あの男と一緒に殺しておけばよかった!!!こんなに大事にしてやったのに!!)



男は女の首をシメタ


(あ…あの子だけは……)


女の言葉には何も答えない



(俺への復讐がこれとはな!!無理矢理、お前を手にした俺を怨んでいるんだろう!!そうだ俺を怨みながら死ね!!)


びくっ


(お前の目には一度も俺はうつらなかった!!)


びくっ


(うつっていたのはいつもあの男だ!!!)



びくんっ


(お前は…一度だって俺の前で笑わなかった)



がくんっ




腕がだらりとたれる




何に対する謝罪なのか


ご め ん な


男の唇がそう動いた気がする




(こいつの名前は鬼姫だっ!!忌まわしい鬼……そして……俺を殺す 復讐の オ ニ )





男の目からは雫がたれていた


女の目には赤子がうつっていた





赤 子 の 目 は 全 て を ミ ツ メ タ




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