運命の確率
入学して1週間が経った頃。
『また翔貴、女連れてる~』
クラスのある女の子が廊下を指差して、周りの子が視線を向ける。
釣られてあたしも見てしまった。
視界に入ったのは、廊下で翔貴と女の子が二人して話していた所。
『あの女の子って、サッカー部の先輩の彼女じゃなかった?』
後ろから聞こえてくる言葉に、あたしはピクリとした。
まさか翔貴が…ね?
疑いなんて、この時は全く考えてもなかった。
けど…
翌日の昼休憩、教室がざわざわと妙に騒がしかった。
男子達は翔貴の周りを囲んでガヤガヤ。
女子達は少し遠くで翔貴を見ている…なんで?