涙の雨

「そんなの言われなくてもわかってますよ!そんなの…そんなの…!」


俺は俯きながら言った



「尚輝さん、別れたい本当の理由、話してくれないんですよ!?みんな俺が悪いって言うばっかで、一番聞きたい事を話してくれないんです!」


そして山田を見つめながら

胸に引っかかった思いを言い始めた


「―今日だって俺の事ワザと無視をして、当てつけのように他の生徒と話してたんですよ!?絶対に俺の姿見えてたクセに…!」


一度話し出したら止まらなくて

ひたすら愚痴をこぼすように喋り続ける



それはまるで



自分自身に言い聞かせてるみたいだった




「あんな人、別れて正解でしたよ!意地悪だしいつも煙草臭くて、ホントに嫌だったから…!」


そんなのは全くの嘘


でもこうしないと

望月を忘れられないと思った


「好きとか愛してるとか、散々優しい言葉くれたくせに、結局俺はただの遊び…だったんです…っ!」



―ヤバい


俺、泣いちゃいそうだ




望月の事を話す度に

ずっと堪えていた何かが溢れてくる
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