涙の雨
「遼太」
そんなある日
廊下を歩いていたら後ろから声をかけられた
「…え?」
後ろを振り返ると
望月が立っていた
「顔、真っ赤」
クスクス笑いながら俺を見てる
そう言われたら
余計に恥ずかしくなる
「ねぇ…放課後、保健室来ない?」
白衣のポケットに手を入れながら望月は言った
「えっ!」
「俺、もっと遼太の事知りたいな」
心臓が物凄いスピードでドキドキしてる
望月は平然とした顔でニッコリ笑ってた
「俺…行きたくないですから」
「―なんで?」
息つく間もないほど
即答した望月
―なんでって…
またエッチな事するんだろ?
そう思ったけど言える訳がない
だって周りには、たくさんの生徒がいたし
こんな事聞かれたくなかったから
「とにかく…行きませんから」
「待ってる、ずっと」
―何でこの人
こんなに俺に付きまとってくるんだ?
「遼太が来てくれるまで、待ってるから」
そう言い残して
望月は俺の前から去って行った