涙の雨
その日の夕方
俺は帰りの仕度していた
“待ってるよ”
望月の言葉
一日中ずっと頭に残ってた
―相手は男だぞ?
しかもまたイヤらしい事されるんだぞ?
でもこの前の事を思い出す度に
顔から火が出る程、恥ずかしくなる
もしあのままいったら…
俺は望月に童貞を捧げてしまうのか?
「遼太!」
「あ、何?賢二」
俺はドキマギしながら
賢二の顔を見た
「今さ、体育館でバスケやってるんだけど、一緒に見に行かないか?」
何でも
高等部の先輩が遊びに来ているらしく
その先輩はかなりの有名人らしい
「なっ!?行こうぜ!?」
嬉しそうに笑う賢二
―よっぽどその人見たいんだろうな
「うん、いいよ」
俺は頷いて
カバンを持ったまま賢二と体育館に向かった
そういえば
体育館へ行く途中に保健室がある
前だけ通るだけ通ってみようかなと
バスケより
そっちの事ばかり気にしてた
今思えば
最初から行きたかったのかもな
ただ男としてのプライドが
変に邪魔してたんだ