涙の雨
毎年五月に行われる
新入生歓迎会
体育館で、在校生の俺達が一年生に向かって
学校のいい所を壇上に上がって話したり
各部活の部長が
自分の部活を面白おかしく紹介するなど
結構大きいイベント
中等部の教師はみんな集まるし
実行委員もみんな生徒会の人がやっていて、
内容もしっかりしてる
冊子を作った俺も
一応実行委員として色々と手伝っていた
イベントの一週間前なんか
毎日のように放課後残って
歓迎会の準備に明け暮れる
賢二がどうしても実行委員やりたいって言うから
渋々、付き合ってあげたのに
いざ歓迎会が近くなると
ちゃんと出来るのかなとか
楽しんでもらえるかなとか
気持ちがワクワクし出して
当日が楽しみでしょうがなかったんだ
そしていよいよ当日がやってきた…―
「遼太、今日うまくいくといいな!」
朝一で賢二に言われた一言
「毎日居残りしたんだから、その分うまくいってもらわないと困るし!」
歓迎会は昼の一時半、五限目から始まる
俺ももちろん裏方に回る予定だ