涙の雨
とりあえず職員室に行って、鍵を取りにいこうと考えた俺は
台車を押しながら職員室に向かう
体育館からかなり距離があって、運ぶのは大変だったけど
準備室と職員室は同じ一階なので
鍵さえ手に入れば
すぐに終わると思っていた
―ガラガラ…
「すみませ…ん」
職員室の扉を開けると誰もいなくて
広い部屋はシーンと静まり返っていた
―どうしようかな…
鍵のある場所がわかれば
ちょっと借りて…なんて考えられるんだろうけど
職員室なんて滅多に来ない俺にとっては
手も足も出せなかった
体育館にいる担当の先生へ行くか
それとも誰かが来るのをひたすら待つか…
一番は体育館に戻るのがいいんだけど
この機械をまた運ぶとなると、かなり面倒くさい
それに機械を置いて一人だけ行くのは
もし何かあったらと考えると、少し気が引けてしまう
廊下は誰も歩いてないし
話し声すら聞こえない
一人でおろおろしてる
その時だった―