涙の雨
「どうした?」
足音と共に遠くから聞こえる声
横を振り向くと
ちょうど一人の教師がやってきた
「あの、これ第一準備室に運びたいんで、鍵借りてもいいですか?」
「―新歓で使ったやつか。今持ってきてやるから、ちょっと待ってろよ」
教師は職員室に入り俺は廊下で待つ
そして数分後
鍵を手にした教師から鍵を受け取り、俺は準備室に機械を戻した
鍵を職員室に返す途中
保健室の前を通った
部屋の電気はまだついていて
中にいるんだろうなと思ったけど
俺はそのまま通り過ぎていた
『今日どうだったか?うまく出来たか!?』
「―俺、頑張りましたよ!先輩のパシリみたいな感じだったけど」
夜、ベッドで横になりながら
山田と楽しく電話をしていた
元旦以来ちょくちょく電話したり、遊びに行ったりと
友達みたいな関係がずっと続いていたんだ
『よかったじゃねぇかよ~。昨日なんか、うまく出来るか心配です~って弱気になってたクセに』
山田のからかうような言葉に
俺は一人恥ずかしくなる