涙の雨
「だってこういう事するの初めてだったし、ちゃんと出来るか心配だったんですよ!?」
『まぁ結果的に、何も無かったんだからよかったじゃねぇか。ごくろーさん、ごくろーさん』
山田の声が少し他人事のように聞こえたが
俺はそのまま流す事にした
『あ…、そうだ遼太』
山田の話の切り替えが早いのは、いつもの事
時には一度終わった話を
時間がたってから
また蒸し返したりすることが、時々あった
俺は、またかと思いながら
ペットボトルに入ったコーラを一口飲んだ
『今から…会えないか?』
「―今からですか?」
時間は既に夜の九時を過ぎていて
夜食も食べ終わり、のんびりしていた時間帯だった
『こんな遅くじゃ…やっぱ辛いか?』
基本的に夜は滅多に家を出ないから
少し悩んだけど…
「いいですよ、少しの間だけなら」
俺がそういうと、
山田は全速力でバイク飛ばすからと言って
近くの公園に待ち合わせをしてきた
部屋着から私服に着替えた俺は
コンビニに行ってくると母親に告げ、家を出た