涙の雨
「嫌いって言ったら嘘になりますけど、前よりは気持ちが薄くなったような気が…します」
好きだけど
愛してるまではいかない
でも、望月の存在はいつも頭の片隅にあった
保健室の前を通る度に
望月の姿が目に入ってくる度に
何かを期待してしまう自分がいた
教師と生徒なんだからと
自分で言ったクセに…
「そっか…、でも好きな気持ちは残ってんだな」
山田は少し寂しげに笑った
「―でも!先輩にはいろいろと相談乗ってもらって、ホント有難いです!」
何故か必死になって話す俺
「別に大した事じゃねぇよ。俺は遼太の事が…気になって仕方ねぇんだ」
山田は横目で俺を見ながら言った
―ドキッ!
その目線と言葉に
心臓が大きく動いた
「尚輝の事で辛い思いとか悲しい思いとか、寂しい思いとかしてねぇかなって、いつも遼太の事考えてる。頭からお前の存在が、離れねぇんだよ」
ドキンドキンドキンと
鼓動が更に速くなってくる