涙の雨
最低な俺
これで三日連続の雨
テレビの週間天気予報は
残り二日間は雨マークがついていた
あともう少しで六月に入って
すぐに梅雨がやってくる
ムシムシしたあの嫌な季節だ
「ホント雨って、テンション下がるよな~。傘を差すのも面倒だし。あ、遼太!帰りゲーセン寄って行こうぜ!?」
「―えっ?ゲーセン?」
俺は賢二の問いかけに
驚いた顔で聞き返した俺
「そうだよ!ちゃんと人の話聞いてろよな~」
賢二は俺の態度に怒ったのか
そっぽを向いてしまった
「あ…ごめん。ゲーセンいいよ、駅前のトコだろ?」
怒った賢二をなだめるように
優しく言葉をかける俺
「今日こそは、ドラマニ(ドラムマニア)でハイスコアー出したいよな~!」
賢二は嬉しそうに笑い
空いてる手でドラムを叩くフリをし始めた
その隣で
賢二の姿を見つめながら
頭では違う事を考えていた
“好きだ遼太”
あの山田の告白が
今だに鮮明に残る記憶
そしてその答えを
まだ出せずにいたんだ