涙の雨
山田は返事はいつでもいいと、言ってくれたけど
告白されて一週間も連絡無しじゃ
さすがに山田にも悪いかなと薄々感じていた
山田はいい人だし、この先も仲良く出来たらなって
心から思える人だ
でも
それが恋人関係に変わるとなると、話は別
自分の心にはまだ望月の存在があるし
そう、すぐには忘れられないと思う
だけど俺を好きでいてくれる
山田の気持ちも大切にしたくて
何の進展も無いまま、俺は答えを出さずにいる
―どうすればいいんだろう…
あの頃はずっとこの事で悩んでいた
山田と付き合うべきか
望月の事をずっと想い続けるべきなのか…
軽い気持ちで山田と付き合うのは
相手に失礼だし
付き合うなら付き合うで
山田だけを見ていかないといけない
心の中には
好きな人、一人だけしか存在しちゃいけないんだから
「ラッキー!誰もいないじゃん!」
駅前のゲーセンに着くと
賢二は一目散にドラマニの機械へ走って行く
俺はゆっくりと歩きながら
賢二の後を追って行った