涙の雨
そして時間はあっという間に過ぎて
夕方になってしまった
「さぁてと…これからどうするか~?」
敷地内をブラブラ歩く俺達
アトラクションはほとんど乗ったし
ショップ巡りもした
あと残すは…
「乗るか?最後のシメに」
「…そうですね。最後のシメに」
そう言って俺達が向かった先は
巨大観覧車だった
「何か恥ずかしいな、個室に二人っきりになると」
向かい側に座る山田が
恥ずかしそうに話す
「…そうですね。ちょっと恥ずかしいです」
俺は山田からワザと視線をそらして
外の風景を眺めた
「遼太、この前の事だけど…」
―きた!
密室になるって事は
逃げ場が無くなるって事だ
観覧車に乗ったら、絶対に聞かれるなと
正直、覚悟はしていた
だけどいざ聞かれると
やっぱり…ドキドキしてしまう
「あんま難しく考えんなよ。俺は今まで通り遼太と付き合っていきてぇし、友達みたいに仲良くしてぇしな」
山田も俺と同じように
黄昏時の街並みを眺めた