涙の雨
「あ~つまんね~」
中旬になると中間テストがあって
テスト一週間前になると
部活は全て活動停止になる
賢二はバスケ部に入っていたから
毎日つまらなさそうにしていた
「バスケやりてーなー」
「さすが秀才の言う事は違うな」
昼休み、賢二が窓から外を眺めていた時
俺も同じように外を眺めながら
隣でワザと嫌味っぽく言った
「どういう事だよ、遼太」
ムカッときたのか
賢二は俺を睨むように見てきた
「だって周りはテストの事で頭がいっぱいなのに、賢二ぐらいじゃない?バスケやりたいって言ってんの」
そう言うと、俺は視線を教室に戻した
クラスのみんなは席に座って勉強していたり
友達同士で問題を出しあったりしていたんだ
もちろん俺もその中の一人で
学校でも家でも勉強していた
「範囲の所だけ勉強すれば簡単じゃんか」
サラリと言った賢二の一言に
やっぱり秀才は違うだなと
改めて思い知らされた