涙の雨
「遼太と付き合う事になったから、もう遼太と関わらないで欲しいって言われたよ。そんな事言われてもねぇ…」
望月は苦笑いをしながら
白い煙をはく
「俺は教師なんだから、関わらない方が難しいのに。ね?遼太」
「そう…ですよね」
俺を見つめながらニッコリ笑う望月に
俺は恥ずかしくなって、下に俯きながら言った
―先輩、そんな事言ってたんだ
全然知らなかったな…
山田が言っていた
“忘れさせてやる”って
そういうやり方なのかなと思ったら
少しズルイなと感じた
望月の存在を忘れる忘れないは
俺の気持ちの問題なのに
それをわざわざ話すなんて…
望月とはもう別れたんだから
何の関係も無いのに
「…ねぇ遼太」
名前を呼ばれた俺は
俯いていた顔を上げて
すぐ隣にいる望月の顔を見つめた
「遼太は博文の事好きなの?」
望月のストレートな質問
俺は驚いて
一瞬、言葉が出なかった
「あの…俺は…」
困惑して何を話していいかわからない
―言ってもいいのかな…
俺は
俺は…―!