涙の雨
「―それとも体の相性がよかったか?」
その一言に血の気が引いた俺
「俺みたいなオジサンより、若くて体格のいい博文の方が全然気持ちいいだろ?アイツも結構、男女問わず遊んでるからな」
ハハハと笑いながら
望月の口から次々に出る言葉
その姿に
望月がどうかしちゃったのかとさえ思った
―何でそんな事まで言うの?
尚輝さん、どうしちゃったんだよ…
胸が急に苦しくなってきた途端
あまりにも辛くて涙が出てきた
その瞬間、望月が驚いた顔で俺を見つめてきたけど
こんな姿を見られたくなくて
俺はそのまま下を向いていた
「どうして…そんな事言うんですか…?俺…」
溢れてくる涙を腕で拭く
だけど全然涙が止まらなくて
望月から視線を外したまま、仕方なく顔を上げた
「俺、まだ尚輝さんが好きなのに…っ!」
今までの思いが頭の中で
走馬灯のように甦る
「別れても好きだったけど忘れなくちゃって…思って、無理矢理想いを心に閉じ込めて、無理矢理…っ」
ずっとずっと辛かった