涙の雨

「ん…」



目にあたる光が眩しくて

俺はゆっくりと目を開けた


そして目に飛び込んできたのは

真っ赤に染まった空と夕日だった



「綺麗だな~」

裸のままベッドに寝転がり
窓ガラス越しに見える風景をジッと眺めていた




あの後

俺と望月は激しいセックスをして
そのまま眠ってしまっていたんだ



ベッドの脇にあるデジタル時計を見ると

すでに五時を回っている



―一時間ぐらい寝ちゃったのか…




望月といると

ホントに時間が過ぎるのが早い



もっと一緒にいたいのに

すぐ離ればなれになってしまう



いっそのこと一緒に住めたらな…なんて

想像した事もあったっけ





西日が眩しくて

顔の前に手をかざし、夕日を見つめる俺



たしか

初めてここに来た時もちょうど夕暮れ時で


目の前に広がる光景に

凄い驚いた事があった




あの時はまだ

自分の思いを望月に伝えてなくて


気持ちだけが先走りしていた



なかなか言い出せなくて

初めて告白出来た時、俺死んでもいいかもって



本気で思った事を覚えている
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