涙の雨
「愛してる」
その一言が
何故か俺の胸の奥で引っかかった
―別れ話の時
そういう言葉も
みんな嘘だったって、尚輝さん認めたんだよな…
「その言葉…本当ですか?それともまた…」
俺の疑った目に
望月は驚いた表情で見つめている
でも
すぐに笑ってくれた
「みんな本当だよ。初めて言った時も、全て」
「だって別れ話の時、みんな嘘だったって認めたじゃないですか」
俺がすねるような言い方で話すと
今度は小さくため息をついた
「あれはワザとああ言ったんだ。そうしないと、本気だって事が信じてもらえないと思ったから…」
「―なんでワザと言ったんですか?俺…マジでショックだったのに」
あの時の気持ちを思い出してしまった俺は
少し落ち込んでしまった
たとえそれがワザとだとしても
やっぱりショック
しかも相手が望月だったからよけいに
「ごめんね、遼太。もう絶対に嘘はつかない。だから、俺の事許してくれる?」
望月はそう言いながら
俺の瞼の上に軽くキスをしてきた