涙の雨
「俺は、遼太を女として見てないよ?男として見てる」
望月の眼鏡のレンズに俺が映ってる
それほどお互いの顔が近かった
「先生…バイなんでしょ?男も女も好きなんでしょ?」
その言葉に一瞬黙った望月
「…バイだったら遼太に触っちゃいけない?そういう偏見で、俺を見てる?」
今度は俺が黙ってしまった
たしかに
そういう変な目で望月を見ていたのは確かだ
ゲイとかバイとか
俺とは無縁な場所にいた望月
だけど…
差別するような目で見るのは
いけない事なのかもしれない
人それぞれだし
みんながみんな同じな訳がないし
現に望月みたいな人達だって
世の中にはたくさんいる
みんな同じ世界で生きてる人間なんだ
「…やっぱりこういう人間は嫌い?」
「―嫌いじゃ…ないです」
顔が熱い
望月の顔がすぐ近くにあるから
よけいかもしれない
「でも…正直驚いてます。先生に…キスとか…エッチな事された事に」
俺はあまりにも恥ずかしくて
俯きながら話していた