涙の雨
透けて見えていた心
―どうしよう…
山田に言い出すキッカケが掴めないまま
時間だけが無情に過ぎていく
その間も望月と会っていて
誰がどう見ても二股状態…
―何て言えばいいんだよ!
正直に尚輝さんの事を話せばいいのかな?
それとも
気持ちが無い事を
ハッキリ伝えればいいのかな…?
あ゛ーっ!!!
悩めば悩むほど
暗い闇の底まで落ちていく
ついこの前までは
望月との時間が最高の幸せだったのに
教師と生徒に戻る現実よりも
もっと過酷な現実が俺を待っていたんだ
そんな俺を見ていられなかったのか
「俺から話してあげようか?」
と、望月が声をかけてくれた
でもこれは
山田と俺の問題だし
俺は望月への気持ちを捨てられないまま
山田と付き合い出した
どうあがいでも
どう転んでも
一〇〇%俺の責任なんだ
自分で解決しないと
自分自身も納得いかないし
俺から話さないと
山田も話をキチンと聞いてくれないと思ったから
望月の誘いを断り、自ら切り出す事を決めたんだ
あと数日後で夏休みが始まる