涙の雨
「遼太~!」
とうとう夏休みに入ってしまった俺は
いつも通り山田と会っていた
「いやぁ~今日も暑いなぁ~!」
ランニングにジーパン姿
大学のバスケサークル入った山田の素肌は
綺麗に小麦色に焼けていた
「今から靴買いに行きてぇんだけどいいか!?」
渋谷で待ち合わせした俺達は
そのままセンター街に行く事になった
「ん~どっちがいいかなぁ~?」
コンバースのハイカットスニーカーと
同じコンバースの限定版モデルを左右の手に一つずつに持ちながら、ひたすら悩む山田
山田は竹を割ったような性格で
悩む事なんてあまり見た事が無い
だけどこの時は
異常なほど悩みっぱなしだった
「―おい!遼太!」
「はっ、はい!」
いきなり声をかけられ驚く俺
「どっちがいいと思うよ!?」
隣にいた俺に二つのスニーカーを見せて
真剣な目で俺を見つめてくる