涙の雨

猛暑と呼ばれるぐらい暑い毎日


その年も夏期講習に参加した俺


賢二が参加してみたいと言ったから
俺も一緒について行ったんだ












「何かやってる事って遅いよな、うちの学校」

「―え?そうなの?」


講習の最終日

学校から帰る途中、俺達はマックに寄って時間を潰していた


「だって俺の行ってる塾なんか、もっと先の勉強してるぜ?まぁ学校ってそんなモンなのかな~。みんなのレベルに合わせて授業進めないといけないし」



中二とは思えない悟り方に
俺は呆然としていた



賢二が頭いいのは入学当時から知っていたけど

一年経っただけで、その頭脳は更に上がっているように見えた



俺は塾なんかに行ってなかったから

よけいにそう感じたのかも知れない




「―あっ!そういえばこの前、山田先輩来たぜ?部活にさ!」


ついさっきまで、つまんなそうな顔をしていた賢二の表情が

一気に明るくなった



「大学でもバスケやってるって言ってたぜ!?肌とかさ小麦色に焼けていたし!いつ見てもカッコイイよな~」



大きなため息をつくと

ストローでジュースを一気に吸い込む賢二
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