涙の雨

震える手


激しく鼓動する心臓




―スゲー緊張する…

出なかったらどうしよう…


携帯を持つ手に汗がジンワリと滲む


リダイヤルから番号を探し

俺は山田に電話をかけた




―プルルル…




毎週水曜日は、いつもバイトの休みを取っていて


たぶん今日も休みのはず…


―ガチャ!


『もしもし?』
「―あっ!先輩ですか!?」


ワンコールで出た山田に

何故か焦る俺



「あっあの!今日、バイト休みですよね!?」


―ドクンドクンドクンッ!



心臓が物凄い速いスピードで動き出す


話す口調も何故か早口だったし



『そうだけど…どした?』

山田はいつもと変わらない口調で話す


「あの…その…」



また肝心な所でつまづいてしまった


―頑張れ俺!

話があるんですけど、だぞ!!



心に住むもう一人の俺が
必死に呼びかける


「あの…話があるんですけど!」



大きく一息ついて

勇気を出して言った一言



その言葉に山田は…








『いいぜ、今からそっちに行くよ』
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