涙の雨
また同じ事の繰り返し…


いつも俺が一人で怒って

部屋から出ていく



―こんなの絶対にいいわけないのに…



そう思っていても

自分の気持ちを抑えきれなくて



また過ちを繰り返してしまう



そうやって何度も同じ思いをしているのに

自分自身何も変わらないのは


俺が成長していない証拠だったのかも




でも当時の俺は

それが望月に対する精一杯の反抗だったんだ












『さぁな~。尚輝はたまに何を考えてるかわからない時があるからな~』


不安を自分の中で支えきれなくなった俺は


山田に全てを打ち明けていた



「尚輝さん…俺の事、嫌いなんですかね…?」


ベッドの上で体育座りしながら
山田と電話をする俺



声も気持ちも
自然と弱くなってしまう



『そりゃ~ねぇだろ。尚輝は遼太にベタ惚れだからな!』


山田の声はいつもと変わらずハキハキしていて

電話の向こうで豪快に笑っていた


「そう…ですかね…」
『―そうだよ、俺が言ってんだから間違いねぇ!』


その自信が

どこから出てくるのかわからないけど



山田の言葉に気持ちが少し軽くなった
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