涙の雨
それは凄く痛くて


本当は嬉しいはずなのに

妙に切なくなった






「一度遼太と別れた時、このままだったら一人で帰れるかなって思ったりもした。思い出が浅いうちに離れれば、振り返る事も無いのかなって…」


俺を見つめる表情が
どんどん曇っていく



きっと望月も苦しかったんだ




「だけど博文から付き合ってるって聞かされた時、凄い嫌だった。俺以外の男に遼太が抱かれている所を想像しただけで、頭がおかしくなりそうだった…!」


その瞬間、いきなり立て膝をついた望月が


椅子に座ったままの俺に抱きついてきたんだ




「毎日辛くて、思い出に浸る度に遼太の事が忘れられなくなる。自分から別れ話をしたクセに、ずっと後悔してた」

「尚輝さん…」



俺は望月の背中に腕を回して

強く抱きしめてあげた




まさか自分と同じ思いをしていたなんて、全然知らなかったし






そんなに俺を想っていてくれたなんて


想像もつかなかった




俺と同じように

ずっと苦しんでたんだね








「一回り以上離れた遼太を、本気で好きになるんじゃなかった!だって…」
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