涙の雨
「俺…嫌です!尚輝さんが結婚するなんて…」


望月の首にしがみついた俺



「しかも好きでもない人と―!」




俺達はこんなに惹かれ合って

こんなにお互いを必要としてるのに



どうして
別れないといけないんだろう



俺達は同性だから結婚は出来ないけど



ずっと一緒にいる事は出来る




なのに

その望みも叶わないんだ



「尚輝さん…俺、今すぐしたい。すごくしたいです…!」



俺の言葉に望月は何も言わず


キスをくれた






「声…我慢出来る?」
「…はい」



学校でイヤらしい事をするなんて

邪道かもしれない



だけどあの時

あの瞬間


望月が欲しくて仕方なかったんだ




望月はスッと立ち上がり

“不在中”の札を持って、外の扉へかける




俺はドキドキしながらも

一人でベッドに向かって歩いて行く




―この場所でするのは


これで最後にしよう





そう心に強く決めた




「…遼太」



窓のカーテンを全て締めた望月は



後ろから抱きついてきて


俺達はそのままベッドへ沈んだ
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