涙の雨
体育館での入学式


新入生の多さに俺はとにかく驚いた



椅子に座り続け二時間


学長の長い話がやっと終わって
やっと教職員の紹介になった




広い壇上の上に、ズラッと並んだ教師




俺は何mも遠く離れた場所から眺めていた



慣れない人の多さと

ずっと椅子に座っていた疲れで



早く終わって欲しいとずっと思っていた





そして入学式が終わり

新入生は個々にクラスへ移動



俺は一年A組



三階にある一番奥の教室



真新しい制服を着た仲間達が、同じ教室にいる




その場にいた教師に机の場所を言われ

俺は窓際の席に行った




「はじめまして」




隣の席に座っていた一人の人物


ニッコリと笑って俺を見ている




「あ…はじめまして」


人見知りな俺に声をかけてきた人物は



賢二と名乗った



「君、名前は?」



同い年とは思えない大人びた顔



「あ…俺、遼太」


何か恥ずかしい

自分が異様に子供に思えたから



「宜しく、遼太」



初めて出来た友達だった
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