涙の雨

「特に遼太みたいな、可愛いヤツはほっとかねぇよ」

山田はそう言うと体を起こし

立て膝をついて目の前の景色を眺めた



「まぁ…俺もキライじゃねぇけどな。男は」

「先輩もバイなんですかっ!?」



俺はその言葉に

思わず飛び付いてしまった

「男子校なんか、そんな奴ウジャウジャいるぜ?しかもうちは一貫校だし、最低六年間は野郎共と一緒。女との出会いなんかあったもんじゃねぇよ」


山田はハァーと大きくため息をつきながら言った



「じゃ先輩も…彼氏いるんですか?」


「彼氏?ん~まぁいねぇ事ねぇけど」


歯切れの悪い言い方


でも“彼氏”いるんだ…



もしかしているのが当たり前なのかな

と変な感覚に陥った俺



「でも遼太なら一度抱いてみてぇな」


口元を上げ
からかうように言った山田

「なっ、何言ってるんですかっ!」


俺は顔を真っ赤にして山田を見つめる



「なぁ…望月と何処までやったんだ?」



その瞬間

山田の顔が俺に近づいてきた


「ちょっ…先輩!?」

「もう入れられちまったか?」


嫌がる俺を嘲笑うかのように

近づいてくる山田
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