涙の雨
「遼太~、夏期講習申し込んだか~?」
終業式が終わり
マックで昼飯を食べてる時、賢二が突然言い出した
「夏期講習?」
「―今日先生、言ってたじゃんかよ!七月の下旬から申し込んだ人だけにやるって!」
賢二がため息をつきながら言った
―って事は、学校に行けば先生に会える!
単純な俺は賢二と駅で別れた後
慌てて学校に戻った
そして急いで
担任に夏期講習の申し込みをした
七月の最後の一週間
毎日違う教科の教師が
朝の九時から昼の十二時だけ生徒に勉強を教える
その夏期講習には
かなりの申し込みがあった
ちなみに賢二は
夏休みはのんびり過ごすと言って
夏期講習には申しこまなかったらしい
さすが秀才の言うことは違う…
申し込んだ後職員室を出た俺は
一目散に保健室へ向かった
―夏期講習の日、学校にいるか聞かなきゃ!
歩く足が自然と軽くなる
職員室を出る間際
ちゃっかり小林に望月の事を聞いていた俺
保健室にいると知った時
かなりにやけていたなと
後々になってから
急に恥ずかしくなった