涙の雨

「遼太が学校来るなら、俺も来ようかな?」

「―本当ですか!?」



胸に埋めていた顔を上げ

俺は望月の顔を見つめた




「遼太に毎日会いたいし…ね?」

目を細めて笑う望月



その笑顔が昔から好きだった







「ん…っ」


その時、望月が俺にキスをしてきた

「ぁ…はあっ」



望月が教えてくれたやり方で
お互いの舌を絡めていく



キスって

こんなに気持ちいいんだ



そう思えたのは

自分が望月を好きになったから



相手が男だろうが

愛してしまったから…―





思春期の俺はかなり早い段階で
こうゆうイヤらしいを経験したと思う



周りの同世代がするような

淡い恋ではなく



奥が深くてほろにがい恋…



簡単に口に出せるような初恋の相手とは訳が違うのだ



もっと激しくて


痛いぐらいの傷みを伴う位の覚悟がないと



この恋はきっと簡単に崩れてしまうから




それぐらい

同性を愛するということは難しくて




全てをさらけだすぐらいの度胸がないと


何も掴めないし

何も守れないままなんだ
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