涙の雨
俺は顔を真っ赤にして

下に俯いてしまった


そんな姿を見た望月が
ゆっくり手を伸ばしてきて

丸椅子に座っていた俺の顔に優しく触れたんだ




「可愛い…遼太」



自分は男なんだっていう意識はもちろんある

だけど


望月に可愛いって言われると
凄い嬉しかった



たぶん他の人に言われたら
嫌だなぁって思うかもしれないけど



好きな人に言われると

恥ずかしい反面
もっと言って欲しいなって率直に思ってた



まぁ…望月になら

何言われても嬉しいんだけど






その後望月は俺にメアドを教えてくれて

近くなったら連絡するねと言ってその日は別れた



もちろん別れ際には


熱いキス




望月と離れる時はいつも寂しいけど

こればかりはしょうがない



―生徒と教師じゃなくて

恋人同士だったらもっと一緒にいられるのに…



と頭でいつも思いながら

望月の元を離れていく




いつか自分の気持ちが言える時が来るのかと

頭で思い描いていても




今以上に望月にハマっていく自分が

正直、怖くて仕方なかった
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