涙の雨
望月は何も言わず
車をマンションの地下駐車場へ走らせる
そして“住人専用”
と書かれたスペースに車を止めた
「さぁ着いたよ、車から降りて」
望月は眼鏡を直しながら車のキーを外す
そしてロックを解除して
俺達は車から降りた
「先生、ここって…―!」
「俺んち」
ニッコリ笑いながら俺を見つめる望月
そしてマンション内へ繋がる通路に来ると
目の前にあったオートロックを解除して
俺を中へ案内してくれた
エレベーターを待つ間
ホテルのようなマンションの造りに
俺は口をあんぐりと開けただ驚いていた
外壁は床は大理石のような石で作られていて
広さもロビーもかなり広い
望月はこんな所に住んでるんだと思ったら
教師ってかなり給料いいんだろうなと
一人で妄想してしまった
その時エレベーターの着いた音が鳴って
俺達はそのまま乗り込む
そして階数ボタンを望月が押すと
エレベーターはゆっくりと動き出し
目的の階数まで一気に昇り始めた