涙の雨

「尚輝…さんっ…」


熱い


頭のてっぺんから足の指先まで

全身から火が出そうな程熱い




名前を呼んだだけなのに

感度が更に増したような気がした



「遼太は…俺の事好き?」

望月の舌が下腹部に落ちていく



ベルトが外される音がして
それと同時に
ジーパンのボタンが開けられた



「―あっ!」


股関節を舌の先で撫でられると

自分の体が無意識に大きくびくついた




「俺の事…好き?」




望月の声が遠くから聞こえる

「は…はい。俺…」






―今なら言える







そう心で思った






「尚輝さんが…好きです」

俺は目を閉じながら

全身で望月の舌を感じていた



「好きで好きで…たまらないです…っ!」




恥ずかしいという気持ちよりも



喉まで出かかっていた言葉が

やっと言えたという想いの方が強かったと思う





生まれて初めて愛の告白



その相手は学校の教師で

正真正銘の






―男性






「俺も遼太の事大好きだよ」



その言葉が本当に嬉しくて

このまま死んでもいいと
本気で思えた
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