涙の雨

「君、名前は?」


「伊藤遼太です」



すぐ隣から熱い視線を感じた俺


少し引き気味で答えた




「女の子みたいな顔してるね。まつ毛も長いし、体も華奢だ。よく言われるでしょ?」



その質問に俺は

はいと頷いた





昔から女の子みたいだと
からかわれて



何処に行っても


女の子と間違えられた




体型も細身でスカートを履いたら

たぶん完璧な女になれると思う



「可愛いね、遼太」


「!」



まじまじと俺を見る望月


その視線と名前を呼ばれた事に
顔が一気に熱くなる





薄茶で耳に被るほど長めな髪型


目は奥二重で

男の俺から見てもカッコよかった





「遼太は彼氏いるの?」


「―えっ、かっ彼氏ですか!?」


望月の言葉に驚く俺



―彼女じゃなくて彼氏!?

って事は…ホモか!?



一人でパニクってる時

体温計の音が鳴った




「…三十六度か」

「まぁとりあえずベッドで横になろうか」



望月はニッコリ笑って椅子から立ち上がる


俺はまだ顔が真っ赤のままだ
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