涙の雨

もし家族や友達からもらったら、少し恥ずかしいかもしれないけど


俺の事を考えながら買ってくれたのかなって考えると

自然と嬉しくなった




「よかった、喜んでくれて」

眼鏡の奥に潜む目を細めながら
俺を見つめる望月


その表情に笑い返すと

俺は手にしたぬいぐるみをまじまじと眺めた





―尚輝さんからのプレゼントだ





初デートに初プレゼント

みんな初めて尽くしで
ついニヤニヤしてしまう



「…遼太」



その瞬間
望月の顔が近づいてきて

俺の唇にそっとキスをした




「…嫌な思いさせてごめんね」


すぐ近くにあるその顔に


俺は顔を真っ赤にしながらそのまま見つめた




「俺が好きなのは遼太だけだから」



その言葉に

今まで胸に抱えていたモヤモヤが一瞬で消える




心臓の音が望月に聞こえそうなほど
物凄い速さでドキドキしていた



「俺も…尚輝さんの事好きです」


面と向かって言えなくて

つい俯きながら言った俺




「そんな顔で言われたら、帰したくなくなるな」


俺の瞼に軽くキスをした望月は


ボソリとそう呟いた
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