涙の雨
「…尚輝さん」
「ん~?」
時は既に昼を過ぎていて
望月は台所で食器の片付けをしていた
昼ご飯にあのオムライスを頼み
望月は心よく作ってくれたんだ
「あの…」
なかなか言いたい事が言い出せない俺
前日にあれだけ言おう!って心に決めてきたのに
本人を目の前にすると
やっぱり上手く話せなかった
「どうした?遼太」
望月は皿を洗い終えて
すぐ近くにある、カウンター席に座る俺の隣に座った
「あ…あの…」
手に汗が滲む
心臓だってバクバクいってる
俺は俯いたまま望月の顔をなかなか見れない
「あぁ、プレゼントか?本当は出先で一緒に買おうと思ったんだけど、まさかウチに来るとは予想外でね」
望月は優しく俺に言った
「今日はあげれないけど、今度出た時に一緒に買いに行こう、な?」
「その事なんですけど…、俺欲しいモノがあって…」
―頑張れ俺!
あともう少し!
自分自身にそう言い聞かせる
「欲しい物?…何?」
俯いていて顔は見えなかったけど
望月は絶対驚いてたと思う