涙の雨

薄暗い体育倉庫

俺はそこに連れて行かれた


「つーかさ、お前何で山田先輩と仲いいの?」

髪型が短髪で、目元が釣り目の先輩が言った



「え…?」

「え、じゃねーよ。文化祭の時とか、一緒にいただろ?」



たしかに文化祭の時

うちのクラスは屋台を出して
その場所に山田が遊びに来てくれた




その後もずっと一緒に屋台を盛り上げてくれたんだ


「あれは、山田先輩がたまたま遊びに来てくれて…」
「―うるせーんだよ!クソガキ!」



その瞬間、

近くにあったカゴに入ったバレーボールを、おもいっきり体に当てられた


「山田先輩と仲良くなるなんて、生意気なんだよ。一年のクセに!」

別の先輩が大きな声で叫ぶ



俺はどうする事もできず

当たった顔面がとにかく痛かった



先輩達が怖くて、ガクガクと激しく震える膝


早くチャイムが鳴って欲しいと
それだけをずっと願ってた




その瞬間、後の二人の先輩が
バレーボールを俺に何度もぶつけてきた


「―いっ!」



俺は顔をかばうように手を前に広げた


だけど

お腹とか股間を何度も狙って投げてくる
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