涙の雨
―プルルルッ!
なかなか出ない電話
今頃だったらまだ学校かな?
それとも車に乗って家に帰ってる途中かな?
呼び出し音を聞きながらずっと考えていた
『―もしもし?』
その瞬間
望月の声が電話の向こうから聞こえてきた
「―あっ!俺…ですけど…」
何故か緊張した
鼓動もドクンドクンいってる
「あ…あのメール今見ました。寝てて気づかなかったんです、すみません…」
少し落ち込み気味で話すと
『ごめんね、遼太』
望月が突然謝ってきた
「そんな…尚輝さんが謝る事なんて」
『俺が昨日、異変に気がついてやればよかったんだ。遼太が痛い思いをしてたなんて、全然わからなかったから…』
その言葉に
胸がギューときつく締め付けられた
望月は何も悪くないのに
悪いのはみんな俺なのに…
『後藤に全て聞いたよ。三年生からイジメられたんだって?』
「あ…」
望月の優しい声が
心にジーンと響いてくる
『…痛かっただろ?』
―今までずっと我慢してきたのに
尚輝さんの声聞いたら、俺…
『…辛かっただろ?遼太』